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今どき女子高生の”卒業式フォト”事情

卒業式シーズンですね!
コロナ禍で「人が集まる」節目行事がここ数年思ったように行えませんでしたが、今年はかつてのようにみんなで集っての卒業式の形態に戻りつつあるようです。

先日見かけた卒業式では、いろんな人からもらった花束や記念品を見栄えよく並べ、おしゃれといわれる構図で写真や動画を撮影する様子を目の当たりにしました。
そして、インスタグラムでも、目撃した光景と全く同じような花束を大量にかかえたような写真、もらった花束を並べた写真がありました。みんなこういうのを見て真似して撮影しているのでしょう。

そこで、今回は、このような写真を撮る女子高生の気持ちを考察してみたいと思います。


最高にイケていた3年間の集大成を形として残したい

いくつかのインスタグラム投稿をよく見てみると、こういった写真には「#JKブランド」「#JKブランド終了」というハッシュタグが添えられていることが多いようです。
ちなみに、インスタグラムでは「#JKブランド」は約423万件、「#JKブランド終了」は約3万件の投稿がありました。(2024年3月8日現在)

SNSを中心とした世間では、「JK」には特別な価値があり、人生におけるある意味ピークのような期間ととらえられているようです。
それが終わるのは、なんとも名残惜しいという感覚が彼女たちにはありそうです。
だからこそ、女子高生である期間が終わるその日を、自分が最高と思える形で残したい、という気持ちが卒業式での写真にはあるような気がします。

似たような構図で撮影する意味

では、なぜみんな同じような構図で撮影するのでしょうか。

一つには、「流行に乗り遅れた、失敗している人と思われたくない」ということがあるかと思います。
今や少しスマホでSNSを検索すれば、多くの人がいいねと評価しているものを探し当てることは容易です。仲間内で評判が良いものを真似ることで、一定以上のクオリティは担保できます。手軽に自分のカワイイを表現できる手段として、似たような構図で写真を撮っていると推察されます。

もう一つには、以前に少し考察した「コーデを揃える」のと同じ心理がありそうです。

写真を見てみると、同じヘアメイクをし、同じような花束を手にし、同じポーズをとっている、いわゆる「お揃い」の構図が見られます。
同じ格好をすることで、つながりを感じたい。
一緒にできる友人がいるということで、自分に価値があることを示したい。
そんな気持ちが根底にはあるのだと思われます。

自慢はしたいが、悪目立ちはしたくない

その中で少し気になったのは、多くの写真で、目を文字などの加工で隠す、卒業証書や花で顔全体を隠す、目線を伏せる構図で撮影するなど、顔周りの要素を排除するような工夫がなされていることです。

個人情報を知られたくないというまっとうな理由もあるかとは思いますが、同時に、「すべてをつまびらかにするのは恥ずかしい」、「自分の都合の悪いところは隠しておきたい」、「目立ちたい気持ちもあるが、調子に乗っているとは思われたくない」、「否定はされたくない」、という微妙な心理が働いているのではないでしょうか。

人生の節目の思い出を良い形で残したいという思いは、女子高生でなくてもだれしもが持っているものだと思います。
しかし、SNSが生活とともにある今、最も輝いている女子高生という3年間の集大成を、手堅く失敗せずに、今の自分の考えうる最良の手段で残していくことが、彼女たちにとっては重要なことだといえそうです。

文:シルホド!note編集担当 友田


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