クレジットカードデビューは突然に
突然ですが、あなたはクレジットカードをお持ちですか?
日本クレジット協会の統計データによると、2022年では約2億8千万件のクレジットカードが契約されているとのことです。
なお、総務省の人口推計によると、日本の2022年10月の20歳以上人口が104,93万人であり、ざっくり計算で、一人あたり平均2.7枚程度のクレジットカードを保有している状態です。
さて、そんなクレジットカードですが、作ったきっかけ、覚えていますか?
今回は、デビューの記憶もまだ新鮮な20代の若者にインタビューし、その実態と意識を掘り下げてみました。
今回のインタビュー対象者
今回は2名のクレジットカード保有者にインタビューを行いました。
お二人とも、20代前半でしたが、複数枚のカードを所有していました。
さらに、QRコード決済サービスも利用していて、お二人ともPayPayを愛用されているようでした。
消費意欲も貯金意欲も”低温”で堅実
彼らはそもそもどのような金銭感覚を持っているのかを確認すべく、最近買ったものから消費傾向や、貯金行動について確認してみました。
二人に共通して見られたのは、堅実で、身の丈にあった消費を心がけている様子。自分のキャパシティの中でうまくやりくりし、それは我慢だとも無理しているでもない様子でした。
貯金に関しても「お金は余るのが当たり前」といったところで、ただただ、それが貯まっていくのを自然と受け入れている、なんとなく低温な印象です。
ただ、「選択肢がありすぎる」「買うものを考えるのが面倒」などといった発言もあり、常に情報過多な状況にさらされている現状がストレスとなっている様子もうかがえました。
彼らのクレジットカードデビュー
そんな金銭感覚の彼ら、どうやってクレジットカードデビューしたのでしょうか。それぞれのヒストリーを紡いでみました。
Aさんの場合:それは買い物中に突然訪れた
Aさんの初めてのカードデビューは、作る予定もなかったタイミングで、声掛けとポイント還元率にひかれて作ったそうです。
ちなみに、もう1枚のカードも、ショッピング時に勧められて作ったとのことで、Aさんはその時の買い物が「トータルで見るとお得になるか否か」という観点で、カード保有を判断していたようでした。
Bさんの場合:気づかぬうちに持つことになっていた
Bさんのクレカデビューのきっかけは、銀行口座。
親がなんとなく作って与えていたパターンは以外とありそうです。
自分の意思で作ったものも、もともとは親に勧められたQRコード決済サービスを使うにあたって、口座紐づけのため作ったもの。普段使わないけれども目的を果たそうと思ったら自然とクレジットカードデビューしていた、というなんとも手ごたえのないデビュー体験を語ってくれました。
彼らにとってのクレジットカードの存在とは
そんな風に、突然にデビューしてしまうようなクレジットカード。
不惑を超えた筆者の世代などでは、クレジットカードを持つことは「信用ある大人の証、ステイタス」的なポジションを担っていた印象があるのですが、今の若者にとってはどうなのでしょう。
改めて問うてみると、「ちゃんとした大人が持つもの」という印象は残っている様子。
ただ、掘り下げて聞いてみると、かつての「大人の証」とは意味合いが違うことがわかりました。
クレジットカードにまつわるネガティブ情報がすでに蓄積されており、だからこそ「信用があるからこそ持てる大人の証」というより、「カードを止められないくらいに自己管理できている、ちゃんとした大人」しか持ってはいけないものという風にイメージされているというのは、イマドキな感覚かもしれません。
ただ、自己管理できていることというのは彼らにとって一定の価値観なのだと思います。さらっとクレジットカードを持ててしまうからこそのバランス感覚はさすがです。そして、彼らはカードのランクなどにもあまり関心がなさそうな様子なのも印象的でした。
QRコード決済7割 現金2割 クレカは1割
そんな彼らが買い物するときは、主にQRコード決済を利用しているとのことでした。
スマホ一つで済んでしまうことがどうしても便利な様子。QRコード決済には最近「後払い」という機能も追加されているので、結局クレジットカードと類似のサービスを一つの手段に収めてしまっているところが強い感じがありますね。
機能としてのスマートさが、どうしてもクレジットカードがQRコード決済に勝てないポイントになっているようです。
こんなにクレジットカードは発行されているのに、その利用は少ない現状。
いいのか?悪いのか?わかりませんが、人々にとって「使いやすい」「便利な」方向に向かっているのは間違いないようです。
さて、いかがでしたでしょうか?
シルホド!では、このようなインタビューからファインディングスを出し、施策検討に向けてのサポートデータを提供しております。
また、適宜ワークショップや定量調査なども実施しております。
少しでもご興味持たれた方、お話を聞いてみたい方、お気軽にお問い合わせください。
文:シルホド!note編集担当 友田