見出し画像

推し活に熱心な生活者のペルソナ

シルホド!では、「ナゼトーーク!」と題し、とあるテーマに関心が高い社員をゲストに迎えてインタビュー。そこで得た気づきから、生活者の行動や動機を掘り下げて考える取り組みを行っています。

今回のテーマは”推し活”
推し活市場を取り込むための参考情報の収集を目的とし、推し活に熱い男性2名にインタビューを行いました。彼らにとって「推し」の存在が生活や人生にどのような影響を与えるか、そこから見えた3つのファインディングスから、推し活にハマるユーザーのペルソナを紐解きます。

〇今回のインタビュイー

・30代男性Aさん
 推し活対象:ウマ娘・飛行機など乗り物 等

・30代男性Bさん
 推し活対象:グル~ミ~ 等


〇3つのファインディングス

インタビューを経て、以下の3つのファインディングスがありました。
それぞれ掘り下げてご紹介いたします。

  • 推しにかけるお金はお布施・投資のようなもの

  • 同じものを好きという仲間意識もありつつ、その中では負けたくはない

  • 課金やコレクションで身のまわりを自分の「好き」で固める

①推しにかけるお金はお布施・投資のようなもの

落ち目のコンテンツ消えてるのを見てきた。
推しにかけるお金はお布施・投資のようなもの。
推しが出るまでガチャを回す。
かけたお金が新しいコンテンツの開発に回ればうまみが得られる。

Aさん

「明日推しがいると思うな」を大事にしている。
運営へのペイのために課金。

Bさん

推しにお金をかけることで、コンテンツの継続的な供給を求めているようです。Aさん・Bさんともに、推しが途絶える危機感をもち、「自分が支える」という自負があるように感じられました。

推し活は「うまみ醸成サイクル」に身を投じるということ。推しを支えているという自負の裏には、不安定な世の中で自分が生きる価値を実感したいという価値観があるのではないかと、推察しました。

②同じものを好きという仲間意識もありつつ、その中では負けたくはない

Twitterのオフ会に10年参加。上手い撮り方・画の作り方を学ぶ。
同じ場所で写真を撮るとなんでこいつのほうがうまいんだ…負けてねえと悔しくなる。修行めいている。

Aさん

ファン同士の「好き」の違いはお互いそっとしておく。
他のファンとはそんなに交流しない 自己完結型。
教義の違いは気まずい。戦争になるから。

Bさん

Aさんは積極的に他者と関わっている様子。
推し活のコミュニティーの中で自身の写真の撮り方を振り返って、くやしさをバネに他者に負けないクオリティを目指したり、推し活コミュニティーの中で自信を切磋琢磨していく印象を受けました。
Bさんはあまり推し活コミュニティーには交わらない様子。
「好き」がぶつかることで、戦争になるという側面も。
他者との争いを避けるため、自己完結で推し活を楽しんでいるようです。

推し活コミュニティーの中には、好きなものが同じ人が集まってきます。”同担”は推し活上では仲間でありながらライバルという関係です。妬ましいと思いつつ、その悔しさは推しに対し無限に時間や金銭をかけらない我慢から解放してくれる存在として、実は欠かせないものかもしれません。冷静さを失ってでも推しを応援したい、他者に自分のストッパーを外してほしいという価値観があるのではないかと考えられます。

③課金やコレクションで身のまわりを自分の「好き」で固める

好きじゃないポーズ以外のぬいぐるみは全部ほしい。
家に置けないから実家に送りつける。
いずれは棚を置いて飾りたいが場所がない。

Bさん

財布をけずって課金。いくら使ったか覚えていない。
コンテンツホルダーになることで承認欲求が満たされる。
好きなものがないと寂しい。

Aさん

好きなポーズのぬいぐるみは全部ほしいというBさん。
Aさんに関しては、好きなものは進んで手に入れていく姿勢がみられました。Aさん・Bさん双方で、好きなものに囲まれたいという気持ちがあるようです。

このことから、推し活は心や身体、財布にダメージを与えるが、その傷は誇らしいものと考えられていそうです。また、課金やコレクションは自分の「好き」で身のまわりを固めることであり、手元にあることで、寂しさがまぎれたり、自身が満たされるようです。その感情の深くには、推しに自分のコンフォートゾーンを守ってほしいという価値観があるのではないかと推察しました。


〇3つの価値観と推し活ユーザーのペルソナ

先ほどのインタビューから、3つの価値観を見出しました。

<インタビューからわかった3つの価値観>

  • 不安定な世の中で自分が生きる価値を実感したい

  • 他者に自分のストッパーを外してほしい

  • 推しに自分のコンフォートゾーンを守ってほしい

上記の価値観に加えて、インタビュイーの言動・感情から、3つのペルソナを想定し、レポートとしてまとめました。 

レポートの一例

このようなペルソナの方に向けた具体的な施策案もお出ししています。
詳しい内容につきましては、お問い合わせいただけますと幸いです。


コロナ渦を経て、韓流やアニメ等さまざまな分野にハマる生活者も増えてきました。コンテンツのファンであっても、「推し活」をするには至っていない人がまだまだたくさんいると考えられます。

あらゆるところで、コラボ・タイアップ等見受けられる今日、ほかの施策に埋もれないよう、ペルソナを理解し、戦略・戦術を立てることが必要です。
推し活経済活動を促進するための参考にいただけますと幸いです。

文:シルホド!note編集担当 佐藤A

オリコムの活動について詳しく知りたい! という方はこちらよりお問合せください