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良質な睡眠にこだわる理由

昨年、日経トレンディ2022年ヒット商品に選ばれた『Yakult1000』をはじめ”睡眠の質”向上を謳う商品らが発売され、大きな話題になりました。
また夜間美容シャンプー『YOLU』を筆頭にナイトケア切口の商品も数多くみられるようになりました。

3月17日は、世界睡眠医学協会が定めた「世界睡眠デー」で、健康的な睡眠の重要性を認識し、睡眠について意識を高める為にと制定されている日だそうです。また日本では独自に3月18日に「睡眠の日」と定め、睡眠の啓発活動が催されます。

そんないまさらに盛り上がる睡眠について、考えていきたいと思います。

生活者は睡眠により時間を割くように

まずは睡眠時間について定量調査の結果から見ていきたいと思います。
総務省統計局の2021年調査によると、減少傾向で推移していた睡眠時間が2016年対比で増加に転じています。

図1-1 男女、主な行動の種類別生活時間(2001 年~2021 年)-週全体

主な行動の種類について、過去 20 年間の推移をみると、身の回りの用事、休養・くつろぎ、趣味・娯楽などの時間は増加傾向となっている。一方、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌、交際・付き合いなどの時間は減少傾向となっている。また、睡眠時間については減少傾向で推移していたが、2021 年は増加に転じた。

出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査結果」
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf

また、特に現役世代の睡眠時間が増加していることがNHK放送文化研究所の2020年の調査から確認できました。
なかでも男性30代と女性20代~40代は睡眠時間が増加しています。

図2 睡眠時間の変化(男女年層別 全員平均時間 平日)

男性30代と女性40代は睡眠時間が増加し、一方で、男性70歳以上と女性60代以上では減少していました。

出典:NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」
https://www.nhk.or.jp/bunken/yoron-jikan/column/sleep-2020-2.html

コロナ禍を経て人々の生活時間や健康意識の変化などにより、睡眠時間が増加したものと考えられます。
筆者自身も、出社頻度が減ったことで、これまでよりも睡眠にあてる時間が増えたように思います。

ここ数年、睡眠時間だけでなく"睡眠の質"への注目度も増し、よりよい睡眠を求めて様々な商品が発売されています。
ではなぜ人は"睡眠の質"にこだわるのでしょうか。
良質な睡眠の先に求めているものはなんなのでしょうか

仕事を全うする責任

良質な睡眠は心身ともに健康でいる為に大切であると、昨今の健康意識の高まりと睡眠への関心度は比例しているようにも思います。

筆者が通う美容師さんは、日頃から健康意識が高く、接客業だから自分が風邪を引いて休むことができないと体調管理にかなり気を使われています。
特に枕にはこだわりがあるとのことでした。微妙な高さや固さできちんと寝れるか左右され、枕を違うものに変えたりすると数週間後に変化が出てきてだるくなって体調が悪くなってしまうということでした。
万全の準備や対策をして体調を崩してしまったら諦められるが、それ以前に自分がやれることだけのことはやっていきたいと話してくれました。
絶対に休めないという危機感すら感じました。

仕事に対してプロフェッショナルだと感じていましたが、体調管理の為に睡眠にこだわる姿はとてもストイックで抜かりないと感じました。

筆者自身その方のお勧めで、高さがカスタマイズできる枕とオーガニックコットンの五重ガーゼケットを購入しました。

また睡眠をテーマに掘り下げて考える社内座談会を開催した際に、30代女性Aさんは、以下のように答えています。

眠れないのが嫌なのは、仕事に集中できなくなるから。
真摯にお客様に向き合い仕事をできている状態が楽しい。

(Aさん)

睡眠をしっかり取り、100%の状態で仕事ができる状態でありたいという気持ちがありました。誠実に仕事を全うすることは、仕事を楽しむということに繋がっていると感じられました。
周囲の評価を気にするというよりも、自分自身の為にどうありたいのか、ということが表れていたように思います。

今回、美容師さんとAさんの睡眠について考察してみました。
両者共通して、良質な睡眠の先に仕事と誠実に向き合い責任を全うしようとする意識がありました。

これからの睡眠市場

それぞれの"睡眠"を深ぼると、"睡眠"が理想とする日中の過ごし方や価値観、欲求に直結しているように感じました。その理想を追い求めるからこそ、睡眠の質を改善したいと睡眠市場が拡大するのではないでしょうか。

厚生労働省より3月13日からマスク着用が個人の判断となることが発表されました。今後、生活様式が変化し、増加に転じた睡眠時間も再び減少傾向と変化していくのでしょうか。
生活時間の変化により、これまで充分に確保できていた睡眠時間が取れなくなり、疲れが取れにくくなる、寝足りないという人も出てくると思われます。
そうしたときに、理想としている過ごし方やパフォーマンスが発揮できなくなり、"睡眠の質"にこだわる人がさらに増えるのではないでしょうか。

文:シルホド!note編集担当 小林

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