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わたしたちが『silent』に夢中な理由

こんにちは。
生活者観察ラボ シルホド!note編集チームの飯野です。

現在、シルホド!ではトークテーマを基に「なぜ?」を掘り下げ思考力を鍛える「ナゼトーーク」を開催しています。

先日はドラマ『silent』をテーマにその流行のワケについて新人社員を中心にディスカッションをしました。

ドラマを見るきっかけ

「若者はテレビを見ない」と言われる時代ですが『silent』は異例の人気です。4話の配信後1週間での再生数が582万再生を記録し、TVerで配信された全番組の単話での最高記録を更新しました。(2022年11月9日現在)
そもそも、このドラマを見ようと思ったきっかけを参加者に聞いてみました。

  • ティザー公開時、クオリティの高さを感じチェックしようと思った

  • 一通りのドラマに目を通していたところ、特に面白そうだった

  • 1話が話題になっていると聞いて追いかけ始めた

ドラマ放映前の宣伝を見て直感で内容に興味を持った人もいれば、
話題性に惹かれた人もいるようです。

入口は様々あれど、『silent』の面白さについて共通するのは
「考察」「語りたくなる」というものでした。

本記事ではこれらをキーワードに、【わたしたちが『silent』に夢中な理由】をまとめていきます。

わかりづらいけど、わかりたい

近年、登場人物の感情や状況をセリフで説明する映像コンテンツが増えたといわれています。マルチスクリーンで消費することが増えた今、わかりやすい説明セリフを多用することで、ながら見でも内容についていけるような工夫なのでしょうか。

一方で『silent』については、一生懸命集中して鑑賞するという声が多く上がりました。その理由は以下の3つの特徴に要因があると考えます。

ディスカッションのオンラインボード

1.手話シーンが多く字幕に目を凝らす


まず、主人公・青羽紬、青羽の元恋人で中途難聴者の佐倉想、想の友人・桃野奈々は手話を使い会話するため、字幕を見なければ内容がつかめません。

ストーリーを追うためには、ながら見をする暇なくじっくりと画面を見ている必要があります。

2.矛盾するセリフと心情

また、このドラマにはセリフとその意味があべこべとなる場面が多数出てきます。例えば1話の冒頭、紬と想の通学シーンからもそれが見て取れます。

紬は想に「雪降ると静かだよね。ねっ、静かだよね」と語りかけた。すると想は、ほほ笑みながら「うるさい。青羽の声うるさい」と返答。紬は「佐倉君、静かだねー!」とわざと大きな声を出し、想は再び「うるさい」と返して、2人は笑い合った。

「MANTANWEB」

これは2人のじゃれ合いであり、本当に紬の声がうるさかったわけではありません。このように、表面的な言葉とその意味合いが裏腹のため、より注意してドラマを見るのでしょう。

3.想像したくなるあいまいさ

議論が進む中で、語りたくなる理由の最大の理由は「解釈の余地」ではないかという意見が出ました。わかりやすい説明セリフがない分想像する余白があるからこそ、「知りたい欲」が刺激されるのではないでしょうか。

6話に登場した、奈々が見つめていた青いバッグについても話題にのぼりました。ドラマ中は青いバッグの意図が不透明だったものの、その後Twitterで考察を見かけ理解したとのことです。 

SNSでドラマが考察されればされるほど話題になり、ドラマを見ていない層に情報が届くことでさらに話題化し、また考察が増える、という循環が起きています。

登場人物のみずみずしい心情描写がベースにあることはもちろんですが、
最近の潮流とは逆行しているようにも見える「わかりづらさ」がキーとなっているようです。

「わかる」を拾い上げて感情を揺さぶられたい

ストーリーの設定自体はふだんあまり体験することがないような、マイノリティにスポットライトを当てた物語です。しかし一つ一つのエピソードには共感する部分がちりばめられています。

ずっと仲の良かった友達と疎遠になってしまった・大好きだった恋人に振られた・好きな人に好きになってもらえなった・・・など細かく見れば普遍的ともいえるものばかりです。

一見すると「わかりづらい」世界観の中に、いくつもの「わかる」がゴロゴロと埋まっています。
日常で辛く苦しい経験をすることは身を切られるようにしんどいものです。
しかしフィクションという疑似世界でなら感情を揺さぶられたい思うのは、「わかる」を掘り起こすことが心の慰めになるからだと推察しました。

まるでスルメイカのようなドラマ

ドラマを鑑賞しながらいくつもの共感ポイントを拾い上げ考察し、それを語り合うことで何度でも楽しむことができます。まるでそれはスルメイカのように噛めば噛むほどうまみが増して味わい深いのです。

私自身も、一度ドラマを見て考察したうえで二度目に入ることがルーティンとなっています。また、人の考察を読むことで自分の考えが補完され「アハ体験」のような快感が得られると話す参加者もいました。

『silent』の世界観に浸ることで視聴者各々のネガティブな経験が洗われていくという感覚が、私たちを虜にするのではないでしょうか。

今回は【わたしたちが『silent』に夢中な理由】を紐解いていきました。

このように「なぜ?」を掘り下げて流行のワケを探りたい方、
もう少し シルホド!の活動について詳しく知りたい!という方は
ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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